【一般的な医薬品36選】作用機序や副作用まで紹介

探偵学

はじめに

探偵は人の持つものや飲むものなど、様々なものを観察するが、それを何を意味しているかが分からないと観察の意味がない。それには広い知識が必要である。例えば、人が飲んでいる薬の種類である。薬の種類が分かればその人の症状がわかる。それは事件解決に役立つ可能性がある。本稿では、一般的な病気とその医薬品について紹介する。

鎮痛剤

アセトアミノフェン

  • 作用機序: 中枢神経系に作用し、脳の視床下部で体温を調節する。
  • 副作用: 過剰摂取は肝臓障害を引き起こす可能性がある。
  • 使用例: 風邪やインフルエンザによる発熱、軽度から中等度の痛み(頭痛、歯痛、筋肉痛など)。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

  • ロキソプロフェン:
    • 作用機序: プロスタグランジン合成酵素(COX)の阻害により、炎症、痛み、発熱を抑制する。
    • 副作用: 胃腸障害(胃潰瘍、出血)、腎機能障害。
    • 使用例: 頭痛、生理痛、関節痛、歯痛など。
  • イブプロフェン:
    • 作用機序: 同上。
    • 副作用: 同上。
    • 使用例: 同上。
  • ボルタレン(ジクロフェナク):
    • 作用機序: 同上。
    • 副作用: 同上。
    • 使用例: 関節リウマチ、骨関節炎、筋肉痛、急性痛。

糖尿病

アクトス(ピオグリタゾン、チアゾリジン系)

  • 作用機序: インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる。
  • 副作用: 体重増加、心不全のリスク増加、膀胱がんのリスク。
  • 使用例: 2型糖尿病。

ジャヌビア(シタグリプチン、DPP-4阻害剤)

  • 作用機序: DPP-4酵素を阻害し、インクレチンホルモンの作用を延長してインスリン分泌を促進する。
  • 副作用: 肝機能障害、腎機能障害、アレルギー反応。
  • 使用例: 2型糖尿病。

メトホルミン(ビグアナイド系)

  • 作用機序: 肝臓での糖新生を抑制し、インスリン感受性を改善する。
  • 副作用: 胃腸障害(吐き気、下痢)、乳酸アシドーシス(まれ)。
  • 使用例: 2型糖尿病。

高血圧

アマリール(グリメピリド)やダニオール(グリベンクラミド、SU剤)

  • 作用機序: 膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を刺激する。
  • 副作用: 低血糖、体重増加、長期使用による耐性。
  • 使用例: 2型糖尿病。

ロサルタン(ARB)

  • 作用機序: アンジオテンシンII受容体を遮断し、血管を拡張して血圧を下げる。
  • 副作用: めまい、頭痛、高カリウム血症。
  • 使用例: 高血圧、糖尿病性腎症。

アムロジピン(カルシウム拮抗薬)

  • 作用機序: 血管平滑筋に作用して血管を拡張し、血圧を下げる。
  • 副作用: 足のむくみ、顔面紅潮、動悸。
  • 使用例: 高血圧、狭心症。

抗うつ薬

プロザック(フルオキセチン)

  • 作用機序: セロトニンの再取り込みを阻害し、脳内のセロトニン濃度を高める。
  • 副作用: 吐き気、不眠、性機能障害、体重変化。
  • 使用例: うつ病、強迫性障害、パニック障害。

セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)

  • 代表薬: セルトラリン(ゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)など。
  • 作用機序: 同上。
  • 副作用: 同上。
  • 使用例: うつ病、不安障害、パニック障害。

デュロキセチン(SNRI)

  • 作用機序: セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、気分を改善する。
  • 副作用: 吐き気、口の渇き、めまい、性機能障害。
  • 使用例: うつ病、全般性不安障害、線維筋痛症。

アレルギー対策

ゼリテン(セチリジン)

  • 作用機序: ヒスタミンH1受容体を遮断し、アレルギー反応を抑える。
  • 副作用: 眠気、口の渇き、頭痛。
  • 使用例: 花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹。

ヒスタミンH2受容体拮抗薬

  • 代表薬: ラニチジン、ファモチジン。
  • 作用機序: 胃の壁細胞にあるH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する。
  • 副作用: 頭痛、めまい、下痢、便秘。
  • 使用例: 胃潰瘍、胃食道逆流症(GERD)。

フェキソフェナジン

  • 作用機序: ヒスタミンH1受容体を遮断し、アレルギー症状を抑える。
  • 副作用: 眠気(まれ)、頭痛、めまい。
  • 使用例: 花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹。

睡眠薬

アンビエン(ゾルピデム)

  • 作用機序: 中枢神経系のGABA受容体に作用し、神経の興奮を抑える。
  • 副作用: 眠気、頭痛、めまい、依存性。
  • 使用例: 不眠症の短期治療。

ロゼレム(ラメルテオン)

  • 作用機序: メラトニン受容体に作用し、睡眠-覚醒サイクルを調整する。
  • 副作用: 眠気、めまい、疲労感。
  • 使用例: 不眠症の治療。

鎮痛剤

コデイン

  • 作用機序: オピオイド受容体に作用し、痛みを和らげる。
  • 副作用: 眠気、便秘、依存性、呼吸抑制。
  • 使用例: 中等度から重度の痛み、咳の抑制。

感染症

抗生物質

  • 代表薬: アモキシシリン(ペニシリン系)、シプロフロキサシン(キノロン系)。
  • 作用機序: 細菌の細胞壁合成を阻害(アモキシシリン)、DNA複製を阻害(シプロフロキサシン)。
  • 副作用: アレルギー反応、胃腸障害、耐性菌の出現。
  • 使用例: 細菌感染症(肺炎、尿路感染症、皮膚感染症など)。

抗ウイルス薬

  • 代表薬: アシクロビル(ヘルペスウイルス感染症)、オセルタミビル(インフルエンザ)。
  • 作用機序: ウイルスのDNA合成を阻害(アシクロビル)、ウイルスの複製を抑制(オセルタミビル)。
  • 副作用: 吐き気、下痢、頭痛。
  • 使用例: ウイルス感染症(ヘルペス、インフルエンザなど)。

気管支喘息

吸入ステロイド

  • 代表薬: フルチカゾン、ブデソニド。
  • 作用機序: 炎症を抑え、気道の過敏性を減少させる。
  • 副作用: 口腔カンジダ症、嗄声(声のかすれ)。
  • 使用例: 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)。

β2刺激薬

  • 代表薬: サルブタモール(短時間作用型)、サルメテロール(長時間作用型)。
  • 作用機序: 気道平滑筋を弛緩させ、気道を拡張する。
  • 副作用: 震え、心悸亢進。
  • 使用例: 気管支喘息、COPD。

心臓病

ACE阻害薬

  • 代表薬: エナラプリル、リシノプリル。
  • 作用機序: アンジオテンシン変換酵素を阻害し、血管を拡張させる。
  • 副作用: 乾いた咳、高カリウム血症、低血圧。
  • 使用例: 高血圧、心不全。

β遮断薬

  • 代表薬: アテノロール、メトプロロール。
  • 作用機序: β受容体を遮断し、心拍数を減少させ、心臓の負担を軽減する。
  • 副作用: 疲労感、めまい、低血圧。
  • 使用例: 高血圧、狭心症、心不全、不整脈。

てんかん

抗てんかん薬

  • 代表薬: バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン。
  • 作用機序: 脳内の過剰な神経活動を抑制する。
  • 副作用: めまい、眠気、肝機能障害。
  • 使用例: てんかん発作の予防と治療。

消化器疾患

プロトンポンプ阻害薬(PPI)

  • 代表薬: オメプラゾール、ランソプラゾール。
  • 作用機序: 胃酸分泌を抑制し、胃粘膜を保護する。
  • 副作用: 頭痛、腹痛、便秘。
  • 使用例: 胃潰瘍、GERD(胃食道逆流症)。

制吐薬

  • 代表薬: オンダンセトロン、メトクロプラミド。
  • 作用機序: 嘔吐中枢に作用し、吐き気を抑える。
  • 副作用: 便秘、頭痛、倦怠感。
  • 使用例: 化学療法による吐き気、妊娠悪阻、術後の吐き気。

骨粗鬆症

ビスホスホネート

  • 代表薬: アレンドロネート、リセドロネート。
  • 作用機序: 骨吸収を抑制し、骨密度を増加させる。
  • 副作用: 胃腸障害(吐き気、腹痛)、顎骨壊死(まれ)。
  • 使用例: 骨粗鬆症の治療と予防。

高脂血症

スタチン

  • 代表薬: アトルバスタチン、シンバスタチン。
  • 作用機序: HMG-CoA還元酵素を阻害し、コレステロール合成を減少させる。
  • 副作用: 筋痛、肝機能障害、消化不良。
  • 使用例: 高コレステロール血症、心血管疾患の予防。

PCSK9阻害薬

  • 代表薬: エボロクマブ、アリロクマブ。
  • 作用機序: LDL受容体の分解を抑制し、血中LDLコレステロールを低下させる。
  • 副作用: 注射部位反応、インフルエンザ様症状。
  • 使用例: 高LDLコレステロール血症、心血管疾患リスクの軽減。

関節リウマチ

生物学的製剤

  • 代表薬: エタネルセプト(TNF阻害薬)、リツキシマブ(B細胞抑制薬)。
  • 作用機序: 特定の免疫系分子や細胞をターゲットにして炎症を抑える。
  • 副作用: 感染症リスクの増加、注射部位反応。
  • 使用例: 関節リウマチ、中等度から重度の活動性疾患。

精神病

抗精神病薬

  • 代表薬: オランザピン、リスペリドン(非定型抗精神病薬)。
  • 作用機序: ドーパミン受容体およびセロトニン受容体を遮断し、精神症状を改善する。
  • 副作用: 体重増加、糖尿病リスク、錐体外路症状。
  • 使用例: 統合失調症、双極性障害の治療。

神経痛

ガバペンチン

  • 作用機序: 中枢神経系での神経伝達物質の放出を抑制し、神経痛を緩和する。
  • 副作用: 眠気、めまい、体重増加。
  • 使用例: 帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害。

禁煙治療

バレニクリン

  • 作用機序: ニコチン受容体部分作動薬として作用し、禁煙時のニコチン離脱症状を軽減する。
  • 副作用: 吐き気、悪夢、気分変動。
  • 使用例: 禁煙補助。

消化器疾患

抗ヒスタミン薬(H2ブロッカー)

  • 代表薬: ラニチジン、ファモチジン。
  • 作用機序: 胃の壁細胞にあるH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する。
  • 副作用: 頭痛、めまい、便秘。
  • 使用例: 胃潰瘍、胃食道逆流症(GERD)。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

長時間作用型抗コリン薬(LAMA)

  • 代表薬: チオトロピウム、グリコピロニウム。
  • 作用機序: 気道のムスカリン受容体を遮断し、気道を拡張する。
  • 副作用: 口の渇き、便秘、尿閉。
  • 使用例: 慢性閉塞性肺疾患の長期管理。

おすすめの記事

タイトルとURLをコピーしました